オンライン会議zoomの歴史

コロナショックで株価が暴落している世の中。それにもかかわらず逆行高となっているのが、オンラインミーティングアプリZoom(ズーム)だ。3月23日に同社の株価は一時164ドル以上に上がり、上場後の最高値を記録した。感染症拡大を背景に、Zoomのユーザー数が大幅に増加していることがわかる。

Zoom創業者って誰?どんな人?

Zoom創業者:袁征(Eric S.Yuan)氏
WebExのベテランエンジニア、シスコのVPoE、全米ランキングトップの最優秀CEO。と、様々な肩書きをもつ袁征氏。シスコにてVPoE(Vice President of Engineering)を務め、2011年離職後Zoomを設立。
初の白人以外のCEOがトップにランキング入り。米国求人サイトGlassdoor が発表した「2018年CEOランキング」では、99%の従業員支持率でトップに輝いた人物だった。 袁氏のツイート:「今回の受賞は私個人に対するものではなく、Zoomの企業文化ー人類の幸福や思いやりといった価値観を大切にする企業文化が評価されたものだ」

袁征(Eric S.Yuan)氏の経歴

1997年:WebExへ入社。創立エンジニアの一人となる。
2007年:シスコがWebExを32億ドルで買収。その後、彼はVPoEへ昇進。当初10名しか在籍していなかったエンジニアを800名以上に増やし、収益は8億ドル以上となった。ここまででも十分な功績だが、彼はこれだけでは満足しなかった。
2011年:起業を決意。40人以上のエンジニアを連れてZoomを立ち上げる。 袁征氏はWebExの提供するサービスに改善の余地を指摘し、新たな市場へのビジネスチャンスを見いだし、退職した。
彼の語ったWebExを退職した理由:「当時のWebExは、パワーポイント等の資料をオンライン共有するWEB会議サービスに重点をおいていたが、ユーザーはテレビ会議の画質や音声のクオリティアップを求めていた。コラボレーションソリューションではなく、顧客のニーズに的確に応えられるソリューションを提供する必要があった」彼はクラウドソースのオンラインコミュニティに目をつけたのだ。 このようにして、WebExの次世代を目指し、Zoom Video Communicationsが設立された。

Zoom成功の秘訣

1つ目。創業者袁征氏

Zoom成功の秘訣に一躍買っているのは、創業者袁征氏の、卓越した技術者である一方、マネジメント経験豊富な指導者の顔を併せ持っているところであるといえる。彼にとって多くの優秀な起業家から学べる環境下であるシリコンバレーで彼は言う。「ハングリー精神、自己開発意欲はとても重要だ。私はエンジニアとして技術スキルを磨くことに集中するだけではなく、マネジメント能力を鍛えることにも力を注ぐようにした」これが彼を奮い立たせた理由だと言う。 シリコンバレーで活躍する中国人はなかなかいない中、袁征氏なりに明確に物事の隙間を見つけ、発展させていった。

そして2つ目。Zoomの成功のカギは「幸福」

Zoomを立ち上げたきっかけ:Zoomを立ち上げる当初、発端は彼が大学生の頃のガールフレンドとの遠距離恋愛時にテレビ電話を思いついたことがはじまり
オンライン会議ソフトウェア市場は競争の激しいマーケットだったが、Zoomは少しづつ大手企業の間から顔を出すようになっていった。袁征氏は社員と顧客の幸せを一番に考えており、「人生の目的とは幸福を追求することであり、永続的な幸福は他人の幸せを生むことで得られる」と説明した。また、彼は最優秀CEOに選ばれる前も「2018 Entrepreneur of the Year」賞を受賞している。このような功績がZoomの企業としての信頼性を高めているとも言える。

Zoomの他社との比較

他者と比べて最大の利点は、ズバリ、使いやすさである!
「ダウンロード➡︎アカウントへログイン」これだけですぐに開始することができる。加えて、比較的スムーズな通信が可能であり、ネットワーク環境による通信の遮断がされにくいこともいい点だ。
Zoomはビデオ通話機能だけでなく、音質を重視している。 袁征氏「もし音が聞こえなかったり音質が悪いなら、人は見向きもしない。それで、まず音質の確保に力を入れる必要がある。たとえ通信速度が半分になっても、Zoomは正常にビデオ通話できることを保証している」
彼は現代のビジネス現場において、Zoomは他企業が真似できないようなサービスを提供することができることを確信している。

ちな遅延やパケットロスを極力発生させない仕組みだ。
 また、映像と音声の品質はもちろん、使い勝手にも特徴がある。トップ画面を見るとそのシンプルさは一目瞭然である。機能そのものがアイコン化されており、メインで利用する機能だけが簡潔に配置され、ITツールに不慣れな人でも直感的に操作できるインタフェースだ。主催者は参加者へメール一本で会議に招待することができ、参加者は主催者から送られてきたURLをワンクリックするだけで、会議に参加することが可能である。 また、Web会議中には画面共有機能や、ファイルの連携などのツールも使用可能であり、いつもの会議と変わりなく情報を共有することができる。
無料プランでも申し分のない機能や、現在一般的なデバイスであればインストールして利用可能であり、あらゆるOSにも対応している「Zoom」はビジネスシーンにおいて最適化されているといえる。世界的にアワードの受賞も目立っており、ネット環境とPCなどのデバイスがあれば世界中どこからでも参加できる、近年注目の業務効率化ツールなのだ。