なぜ、オンライン会議Zoom流行ってきているのか

Web会議市場の今

遠隔地を映像と音声でつなぎ、円滑なコミュニケーションを実現するWeb会議。従来の専用端末でのビデオ会議に比べて、シンプルな構成で手軽に利用できることが評価され、多くの企業で採用が進んでいる。
そもそも、遠隔のビデオ会議は二通りのシステムに大別される。カメラやマイクスピーカーが一体化した専用端末を用いるテレビ会議システムと、PCやSDなどにダウンロードして利用するWeb会議システムだ。
両者は区別されてきたが、映像や音声を圧縮変換するコーデック処理は通常のCPUでも十分に可能となり、専用ASICでなくとも十分なクオリティーを確保できるものが増えている。もちろん、品質面では専用端末の方が優れている場合もあるが、業務の中で活用するにはWeb会議であってもある程度十分なクオリティーで遠隔会議が実施できる。
このように、クラウドサービスの普及やネットワーク進化などの技術的変化、働き方改革の広まりなどが相まって、社外にいる相手とのコミュニケーションを可能にしたWeb会議システムの需要がより一層高まっている。

後発ながらグローバルでWeb会議市場をけん引するZoom

近年は、音声や映像の品質はもちろん、操作性の高いWeb会議ソリューションも登場している。元シスコシステムズのCisco Webex Meetingsを開発したメンバーが立ち上げたWeb会議ベンダー、Zoom Video Communicationsが提供する「Zoomミーティング(以下、Zoom)」だ。
 Zoomは、Web会議の仕組みをSaaS型で提供するソリューションだ。基本的にはSaaS型の他のソリューションと同様、インターネット越しでの会議が可能な仕組みだ。最大の特徴は高画質・高品質な配信技術である。「ビデオファースト」という同社の思想にも表れているが、独自の圧縮技術でモバイル回線などでも安定した高クオリティのサービスを提供している。 例えば、コーデック処理は独自の仕様に基づいており、標準的に採用されているH.264 SVCなどをベースに拡張を加え、サーバ側に負荷がかからないよう、デバイス側で最適な品質の映像を選択できる。1つの画面で同時に49人の映像を映し出しても、会議を開催できるほどだ。
 通信に関しては、デバイスおよびネットワークの種類や通信状況に応じて最適な処理をダイナミックに行っている点が品質に大きく影響する。同社がグローバルに展開する複数のデータセンタ同士がそれぞれ同期されており、接続先のIPも含めて最適なデータセンタが選択される。ホップ数が増えることで発生しがちな遅延やパケットロスを極力発生させない仕組みだ。
 また、映像と音声の品質はもちろん、使い勝手にも特徴がある。トップ画面を見るとそのシンプルさは一目瞭然である。機能そのものがアイコン化されており、メインで利用する機能だけが簡潔に配置され、ITツールに不慣れな人でも直感的に操作できるインタフェースだ。主催者は参加者へメール一本で会議に招待することができ、参加者は主催者から送られてきたURLをワンクリックするだけで、会議に参加することが可能である。 また、Web会議中には画面共有機能や、ファイルの連携などのツールも使用可能であり、いつもの会議と変わりなく情報を共有することができる。
無料プランでも申し分のない機能や、現在一般的なデバイスであればインストールして利用可能であり、あらゆるOSにも対応している「Zoom」はビジネスシーンにおいて最適化されているといえる。世界的にアワードの受賞も目立っており、ネット環境とPCなどのデバイスがあれば世界中どこからでも参加できる、近年注目の業務効率化ツールなのだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です